【オーナーインタビュー】パテック フィリップ『カラトラバ』はミニマリストな生き方に最高の相棒だ〜ノーティスデザインカンパニー社長 鵜瀬 竜児 文=鈴木文彦

【オーナーインタビュー】パテック フィリップ『カラトラバ』はミニマリストな生き方に最高の相棒だ〜ノーティスデザインカンパニー社長 鵜瀬 竜児 文=鈴木文彦

時計好きに「あなたの時計、見せてください」。今回、時計を見せてもらったのは大阪のデザイン会社「ノーティスデザインカンパニー(https://notice-design.com/)」の社長 鵜瀬 竜児さん。

現在愛用しているのは『ファイアーキッズ』で買った、1960年代のパテック フィリップ『カラトラバ』。果たしてその魅力とは?

 

シンプルであることが好き

 

「現在は、ノーティスの他に、広告会社の役員と、もう1社デザイン会社の社長を兼務しています」

 

2016年にノーティスの社長に就任したタイミングで、鵜瀬 竜児さんはウブロの『クラシックフュージョン』を購入した。

 

「社長になって、そろそろ時計くらいしとかなあかんのかな?とおもっていたんです。そのタイミングで日経新聞の広告に『クラシックフュージョン』が出ていたんですよ。僕、サッカーが好きなので、ウブロはサッカーで知っていたんです。ただ『ビッグ・バン』のイメージだったので、こんなにシンプルでカッコいい時計を造っているって知らなくて。すぐ買いに行きました」


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それは3針デイトのシンプルな『クラシックフュージョン』。ちなみにこの時計はアンティークではなく新品だ。

 

「僕、アクセサリーもそんなに好きではないし、コレクター気質でもないんです。身につけているものといえば、時計くらいで、それも、『クラシックフュージョン』一本だけでした。シンプルなものが好きで、気に入ったものは長く使う。クルマも、ちょっと前から『マカンT』 が気になっているんですが、今のクルマは13年も乗っているんですよ」

 

ポルシェ『マカン』は人気の車種だけれど、Tはその中でも、派手さはないけれど性能、価格のバランスがよく、路上で使っていくには「ベストバイ」とも評されている一台。鵜瀬さんのスタイルにもよく似合いそうだ。

 

そして、そういう意味では、シンプルなビジネスウォッチの頂点ともいえるパテック フィリップ『カラトラバ』は鵜瀬さんにとっては憧れだったのではないだろうか?

 

「いや、そんなことはなくて、これは去年の11月に友達に勧められて買ったんです。人生の次のステップに進むためにも、なにか原動力になるものがあってもいいな、とおもっていたタイミングでした」

 

曰く、その友人から、もうひとつくらいは、いい時計を持ったほうがいい、と強く勧められて、いくつか写真を見せられたのだという。

 

「それでこの『カラトラバ』が出てきて、即決でした」

 

では、『カラトラバ『のことは知らなかった?

 

「有名な時計ですから、全く知らなかったわけではないんですが、それでも詳しくは知らなかったです。買うことにして、少しは調べましたが、いまも自分から時計の話をすることはないですね。この間、取引先の方が時計好きで、時計の話で盛り上がって、いい時計をしているとこういうメリットもあるんだな、と知ったくらいです」

 
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良いモノを限定的に持つべし

 

鵜瀬さんは、ブランド、メカニズムなどにもそこまで強い興味はなく、あくまで『カラトラバ』のもつ雰囲気、佇まいを気に入っている。手に入れた『カラトラバ』がヴィンテージウォッチであることにも、そこまで強いおもいがあったわけではなかった。

 

「勧めてきた友達がファイアーキッズのお客さんだったので、ファイアーキッズで買うことになったのですが、アンティークウォッチだからどう、という考えはなかったですね。強いて言えば、高い時計だけれど資産性もあるな、というくらいは考えたかな?(笑)とはいえ、売るつもりはないです。これは1960年代のもので、すごいですよね。僕よりも先輩なんですから」

 

鵜瀬さんは現在、43歳。

 

「使うつもりで買いましたし、実際、いまも普通に時間を見るのに使っています」

 

60年間動いてきた時計が、そうやすやすと止まってしまうことはあるまい、というおもいもあるようだ。

 

「もちろん、何も気を使っていないわけではなくて、大事にしています。水は心配ですから、雨の日はつけないですし。ただ、最近はスーツを着ることも減ってきましたし、ジャケットを羽織る程度のフォーマルさであれば、『カラトラバ』は全然、おかしくない、とおもっています。黒いシャツにデニム、みたいなシンプルな服装のときも、似合う時計だとおもいます。つけていると感じるのですが、すごく高級感がある時計なので、ラフな格好をしていても、全体の格ぐっと上がる、引き締めてくれるんです」

 
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鵜瀬さんは、自分が持つものは相棒、という感覚でいる。

 

「僕はものをいっぱいは買わない。いいとおもったものを限定的に持つようにしているんです。だから、いつも同じような格好をしているくらいで……買い物をするときも、靴だったら履いて帰るし、帽子を買ったらかぶって店を出るんですよ」

 

安いものを買うと、結局、後悔する、というのが人生訓。

 

「だから『カラトラバ』は、良い相棒に出会った、という気持ちですね。なにせアンティークウォッチだから、これひとつしかない。大事にして、生涯のパートナーにしていきたいとおもっています。この時計は、僕の気を引き締めてくれて、パワーをくれる。僕はでしゃばるのが嫌いなんです。だから、この控え目なカラトラバが本当にちょうどいい」

 

鵜瀬さんにとって『カラトラバ』は相棒であると同時に、自分もそうありたいとおもう、尊敬する先輩なのかもしれない。

 

 

 

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