ファイアーキッズに50本以上在庫がある人気時計ブランド、ロレックス。その魅力についてスタッフに語ってもらう企画です。第2回目はお店の重鎮、顧問の鈴木雄士さんに語っていただきました。
趣味と商売がほぼリンク
「フリーマーケットをやってた頃にもロレックスを買って、自分でつけて、また売ったりとかしていたので」
ファイアーキッズ前店長で、現在、顧問を務める鈴木雄士さんは、古くからアンティークウォッチと関わっており、趣味と商売がほぼリンクしていたという。そんななかでもロレックスは、やはり特別な時計だったらしい。
「自分も若い時からアンティークウォッチの世界に入ってましたが、当時からロレックスは憧れの時計っていうのはありました。その認識は今も変わらないですね」
ロレックスのどの辺が特別なのだろうか。
「たとえば、4桁の『デイトジャスト』とかを持っていて、一度手放しても、また欲しくなって、気づいたらまた買っているということが多々ありまして。商売柄、時計を売らなきゃいけないんですけど、売らなきゃよかったかなという気にさせる唯一の時計なんですね」
それは、イチ時計ファンの時も、アンティーク時計の販売を仕事にしてからも、変わらず続いている認識なのだとか。いまでもロレックスが入荷するとワクワクするようだ。
「やっぱりロレックスって、大間のマグロじゃないですけど、大物かなと思います。入荷したら、“あ、いいのがきた”って感じがしますから。お客さんとも、あ、うんの呼吸じゃないですけど、“これ欲しい!”、“あ、どうぞ”みたいな売り方ができるんです。もちろん、コンディションなどの説明はしますけど、基本的なことはわかってるという人が多いですね。それもロレックスならではだと思います」
量産型でデザインも変わらない
アンティークウォッチと同様にクルマ好きの鈴木顧問は、ロレックスをクルマに例えてくれた。
「メルセデス・ベンツですね。量産型でちゃんとしていて、デザインが変わらないっていうのがメルセデス・ベンツっぽいです。質実剛健で、安心安全みたいなところもありますし。なので、先ほどの話と矛盾するかもしれないですが、ワクワク、ドキドキする時計っていうのと、ちょっと違うかもしれないです」
確かに、ロレックスに壊れるというドキドキ感はない。
「ロレックスには、もし壊れても必ず直せるという安心感もあります。ドキドキする怖さというのは、たとえば、クロノグラフでラトラパンテのような繊細な感じで、いつ壊れるんだという感じですね。一昔前のイタリア車に乗ってる感じですかね。そのイメージはロレックスにはないです。だから面白くない、という人もいますけどね」
メルセデス・ベンツもロレックスもそうだが、「昔の方がコストをかけてオーバースペック的に作ってた」と聞くし、使っていてそう感じることが多々あるという。壊れるかも、というドキドキ感はないが、強さはアンティーク・ロレックスならではの魅力である。
「現行のロレックスは、洗練されて垢抜けちゃった感じはしますね。素材のステンレスも昔の方が硬いですし。50~60年代のモデルを見ると、文字盤も針も作り込んでる感じがわかります。こだわって作っている感じが伝わってくるんです」
同じロレックスでもアンティークに魅了される理由は、そういうところにあるのだろう。