1. オメガ『スベラン』 1940年代製
2.オメガ『コンステレーション』 1966年製
3.オメガ『スピードマスター プロフェッショナル』 1965年製
出演=野村一成(店長)鈴木雄士(顧問)
今回は人気ブランド、オメガから3本。歴史もあり、本数も多く、人気のモデルを数多く抱えるオメガからは、珍しいもの、一番人気のモデルなどが紹介された。必見のライブです。
バリエーションが多く、売れてる時計
野村:今日のテーマは?
鈴木:オメガ3選ですね。
野村:今日は藤井くんがいないので、鈴木顧問が補助してくれます。
鈴木:頑張ります。
野村:みなさんオメガは知ってますよね。オメガってどこがスゴイんですかね?
鈴木:これだけバリエーションがあって売れたって、なかなかないんじゃないですかね。魅力的ですね。
野村:売れるってことがスゴイことなんだと思います。ぼくはオメガがいかにスゴイかという時に話すんですが、オメガって100人聞いて99人が知ってる。高級時計メーカーっていう括りの中で行けば、ロレックスとオメガだけですね、そういうブランドは。それだけ知名度があるっていうことは、スゴイことだと思います。そんなオメガのスゴイ子達を紹介したいと思います。1本目が30ミリキャリバー搭載『スベラン』。1940年代前半ですね。29万8000円。
鈴木:シブいですね。
野村:相当シブいですよね。これ、オメガって映ってますかね?
鈴木:なるほど、ロゴがですかね。出ましたね。
野村:アンティークの世界では、こういうのゴーストダイヤルって呼んだりとか。幽霊みたいに見えたり、隠れたり。そういう感じですね。オメガって文字が実は入ってます。オメガの代表作っていうのが30ミリキャリバーになると思うんですけども、その初期のものですね。30T2って機械を搭載したモデルになります。オメガの30ミリのなにがスゴイかっていうとですね、スゴイんです。この頃の主流は30ミリ以下、27ミリとか、それくらいのところの中で、あえてちょっと大振りな30ミリの機械っていうのは結構肉厚に作ってあって、スゴイしっかりした作りの時計なんですね。なんで30ミリにしたかっていうのが問題なんですけど。当時は時計メーカーが競う、天文台主催で大体あるんですけど、その時の規定ですね。クルマでF1とかでも排気量の規制とかあると思うんですけど、それと同じで、直径3センチ以内、30ミリ以内という規定があったので、それに合わせて直径ぴったり30ミリという機械で、オメガはその大会に参戦すると。しかも市販ベースを改造して、その大会に出て優勝したりとか、記録を打ち立てたりとか、そういうことができたので、やっぱりオメガというのは知名度が上がったんですけども。オメガがいまここまで知名度があるっていうのは、この30ミリが天文台コンクール、そういったところで大活躍したというのが、ひとつ大きなところなのかなと思います。今は精度を争ったらソーラー電波に敵いませんので、そんな大会はなくなってますけども。当時はいかに精度が高い時計を作るかと。もちろん、携帯、スマホもない時代ですから、身近に正確な時刻を知る方法っていうのは、それだけ重要だっったという時代で、そんぽ精度競争の大会で優勝したりとかっていうのが、市販ベース、30ミリのキャリバーベースで大会に参戦して、結果を出すというところが、オメガのスゴさ。30ミリの初期の頃ですね。30T2を搭載した『スベラン』。スベランって何?っていうと、北欧向けモデルみたいなんですけど、裏蓋に“SUVERAN”って書いてますね。30ミリでも初期の方のモデルは、スモールセコンド仕様。途中から、30ミリっていってもいろいろ種類があって、10種類以上あるのかな。
鈴木:そうですね。
スモールセコンドモデルはアンティーク感が強い
野村:これは初期型のスモールセコンドのモデルですね。スモールセコンドモデルはアンティーク感が強くなりますので。このモデルはブルズアイっていっていいんですかね。ブルズアイ、ダーツの的みたいな感じですね。スゴい雰囲気あります。夜光の焼けもスゴくいい具合で。オメガマークが入ってない時代ですが、オリジナルだと思います。サイズ感的にも35ミリくらいですかね。やや大きめ。この時代、40年代の時計にしては、やや大きめな感じ。あと、アラビア数字、針に夜光を入れてある。第二次世界大戦当時、ミリタリーウォッチが大量に必要になった時代で、針、文字盤に夜光が入ってるものが多くて、40年代らしい雰囲気を持った時計ですね。1940年って、もう80年以上前の話なんで、80年ってスゴイですよね。というものが出てきます。オメガ恐るべしです。これが1940年代前半で、29万8000円。キャリバー30T2でした。次行きましょうか。オメガのいいところって精度の部分っていうのが代表的なところですけど。次にくるのが、オメガ『コンステレーション』ですね。うちのお店でも、探している人が多い、ジェンタモデル。世界一の時計デザイナーと呼ばれる、ジェラルド・ジェンタさんが1960年代にデザインしたモデルです。最近亡くなった安倍首相が、ステンレスケースでステンレスブレスが付いてるやつを、リオオリンピックの時のマリオに扮装した時。扮装する前に、車に乗ってる時、さっとオメガを見るシーンが。
鈴木:ありましたよね。
野村:やっぱりスポンサーだからですかね。
比較的数が売れたモデル
鈴木:持ち物だったのか、ちょっと定かではないんですけど。車内で、出てきますよね。
野村:まあ、普通に格好いいです。オメガの『コンステレーション』の中でも、比較的数が売れたモデルなので、バカみたいには高くなってないんですけども、格好いいし、精度も高いし。いいモデルですね。こちらのモデルは、金ばりのモデルで絹目の文字盤。わかりますかね?この質感。なかなか動画では難しいかもしれませんが、絹目みたいな質感がスゴくいいんですよね。高級感が。この『コンステレーション』っていうのは、オメガの機械式の中では上級グレードのもので、すべてクロノメーター検定を受けているというモデルになります。クロノメーター検定って、ようは社外の試験に出して、合格したよってものになります。文字盤上にクロノメーターって表記ができるという形になりますので、当然、社外の検査ですからお金かけて検査しますんで、その検査に受かる仕様の機械が入ってるという形になります。昔は、先ほども天文台が出ましたけども、天文台で正確な時刻を割り出すというところもあって、昔は検査期間は天文台だったんですよね。その関係で、裏蓋には天文台のマークが入ります。『コンステレーション』というのは星座というような意味なので、天文台と一緒に星も入ってるという形ですね。高級機なので、ベゼルの部分はイエローゴールドを使ってるんですけど。ロレックスの『デイトジャスト』みたいですよね。ロレックスとはちょっと違うんですけども、刻みが入った、ちょっと光ったパーツもあります。金ばりといっても、この頃のオメガは厚めに貼ってあるので、剥がれたりっていうのは少ないですし、質感的には金無垢にスゴイ近い感じです。これ、金無垢モデルもあるんですけど。金無垢と並べても、どっちが金無垢って迷うくらいの感じだったりします。質感はスゴくいいです。ちなみにこれが1966年製、17万8000円です。キャリバーは751。751ってあんまり聞かないんですけど、500系の機械をデイデイトにした作りのクロノメーター版機械というような感じですかね。質感いいですよね。鈴木さん『コンステレーション』持ってます?
最初に買ったのがオメガ
鈴木:『コンステレーション』は、昔から使ってますね。
野村:ホントですか。オメガしてるところを見たことないな、と思って聞いたんですけど。
鈴木:意外と持ってるんですよ。
野村:避けては通れないアンティークですよね。
鈴木:最初に買ったのがオメガですから。
野村:僕も最初に買ったのは『シーマスター』だったかもしれないです。そこから入門してますので。入門というにはちょっと高いような気がしますけど、10万円台でこんないい時計があるっていうのは。なんでこんな値段で出るかっていうと、やっぱりオメガはたくさん売れてるんですよ。まだ、モノはいいものが出てくると。もちろん、コンディションはマチマチなんですけども。これなんかはキレイな状態ですよね。当時の純正の尾錠までついているし。
鈴木:そうですね。
野村:いい状態で、値段的にも17万8000円と。魅力的な価格になってますんで。是非、狙ってみてください。3本目が。
鈴木:外せないですね。
野村:『スピードマスター プロフェッショナル』。『プロフェッショナル』4thモデルですね。1965年。あれ、65年生まれでしたよね、どうですか?
鈴木:65年製ですか?う~ん、いいなぁ。
野村:128万円です。いいですよね。
鈴木:いいですね。
野村:型番の方にも105.01265SPと、年まで入ってる。
鈴木:裏蓋に刻印入りますからね。
野村:間違いなく65年製ですね。
鈴木:親近感を覚えますね。
NASAに正式採用された年
野村:そうですよね、なんでですかね、この生まれ年のものに魅力を感じるのは。65年ってNASAに『スピードマスター』が採用された年でもありますね。
鈴木:正式採用された年ですね。
野村:その結果、文字盤に“PROPESSONAL”という文字が入ることに。ということは『スピードマスター プロフェッショナル』の1stモデルですね。
鈴木:そうなりますね。
野村:その結果、月に行くわけで。このモデルなしには語れない。月に行ったモデルが128万円。高いっちゃ高いですね。
鈴木:昔よりは上がりましたけど、でも、状態のいいのが少なくなっているので。
野村:いま『スピードマスター』の新作で、これより高いものは結構ありますもんね。そう考えると、プレミアまでいってないくらいですかね。ギリギリかもしれないですね。雰囲気はあります。キャタピラブレス付きです。キャタピラブレスって、ブレスだけで30万だ、40万だ、50万だといわれたりするくらい、ブレスが高いんですけど。なんでか、という話なんですけど、ブレスは壊れやすいんです。
鈴木:そうですね。伸びますね。
野村:そこのバネがダメになるので、壊れちゃうんですよね。なので、捨てられてしまって、キャタピラブレス付きが希少になってるという形なんですけど、大事に使ってあげれば、なんとかなるのかなと。
鈴木:状態のいいブレスですね、これは。
現行品とほぼ同じサイズ
野村:そうですね。4thモデルからは時計のサイズは現行品とほぼ同じサイズで作られてますし、ほとんど同じデザインですね。決定的に違うのが、このブレス。細かいところは、プッシャーの高さがなかったりとか、細かい違いはあるんですけども、ほぼ、いまの『スピードマスター』のデザインになってるというようなモデルです。宇宙飛行士がつけてたというのもあって、ちょっと憧れますよね。
鈴木:そうですよね。
野村:18、9の頃に買いました、僕も。『スピードマスター プロフェッショナル』5thになるんですかね。新品で買ったんですけどね。中の機械、こちらは321。レマニアの321という機械は、さまざまなメーカーがベースにしているんですけど。パテックの永久とかね。ウン千万円のベースもオメガ名が321っていう機械を使ってるんですけど、スゴくいい機械なんでしょうね。オメガのスゴイところは、そのNASAの試験を、最初市販品を買ってきてテストしたって話もあるくらいなので、市販品がNASAの厳しい試験に受かってしまったというふうにいわれてるので、オメガはやっぱりスゴイんだと。ナミいるメーカーがその時の試験で、某ロレックスとか一緒に受けたらしいんですが、最後まで動いてたのが『スピードマスター』だけだったというような伝説もありますんで。伝説をつくった時計ですね。格好いい。
鈴木:格好いいですね。
野村:是非!
鈴木:欲しいっすね。
野村:一応、こちらの3点という形なんですけど、他にもオメガはたくさんあります。オメガ以外もたくさんあります。店頭にはいろいろな時計、メーカー、いろんなものがありますんで、お店の方にも遊びにきていただければと思います。