今回は野村店長のオススメ3選。選んだ店長が渋め、偏った、変態チックと言うように、なかなか普通の時計好きが選ばないようなチョイスです。こういう時計を身につけるのも面白いかと思いますが、いかがでしょうか?
オススメの3本
1.ジャガー・ルクルト アラビアダイヤル 1940年代製
2.ティソ パティナダイヤル 1940年代製
3.ジラール・ペルゴ クロノグラフ 1950年代製
出演=野村一成(店長)藤井 翔(副店長)
好みの時計は、その時の波がある
野村:今日はですね、店長オススメ3本ということで時計を3本ご用意しました。かなり渋めなところを。
藤井:そうですね。
野村:結構、好みの時計って、その時の波みたいなものがあって、いま僕の中ででは、ヴィンテージってものに波が来ているというところなんですが。40年代、50年代近くかな、のあたりでチョイスしてみました。古い時計は使う上で、夏場、今日なんか異常に暑いですけど、みなさん元気ですかね。ちょっと昼間外に出ただけで、ヤバいなと(笑)この汗の出具合はちょっと古いのは使えないなと、思ったんですが、だからこそチョイスしてみました。
藤井:あえて。
野村:なかでも、そこそこ防水が効きそうな感じの時計をチョイスしてみました。本当に今日みたいな日は使わないで欲しいなという気もあったりするんですが、まあ、あえてヴィンテージがいいんじゃないかと思いますんで、ご紹介したいと思います。
藤井:どれからいきましょう?これはジャガー・ルクルト。黒文字盤のジャガー・ルクルト。
野村:いきなりそれいっちゃいますか。まあ、これ最新入荷ですね。2、3日前にホームページにアップしたばかりだと思います。1940年代、アラビアダイヤル。もう完全にミリタリーな雰囲気ですよね。
藤井:あ~、そうですね。
これはステンレスの無垢
野村:まあ、やっぱり時代背景的には第二次世界大戦後の時計になってきますんで、夜光が入った針、文字盤、黒。これは軍用時計の雰囲気ですよね。これっていうのは、時代背景があってそういう作りになっているという部分もあると思うんですけど。物資が不足がちで、結構メッキのケースが多いんですけど、これはステンレス無垢なんですよね。そこがいい。
藤井:そうですね。
野村:そういうところでね、夏場するのに気が引けるとかっていうのって、メッキのケースとかね。汗はよろしくないって感じになるんですけど、この辺だったら、まあいいかなってところでチョイスしてみました。
藤井:針がオシャレですね、というコメントがきました。
野村:ちょっと真ん中が膨らむような感じ。何針っていうんだろ?
藤井:これはぁ。
野村:最近、名称が出て来なくなったりするのは歳のせいですかね。剣みたいな感じですね。その中央に夜光が入ってるんですけど、いい感じの焼け具合ですね。
藤井:ローザンジュでしょうか?という意見がきましたが。ローザンジュ針とか言いますよね。
野村:いいますね。
藤井:激カッコいい、渋いというコメントをいただいてます。
野村:ジャガー・ルクルトは、この年代の時計って、他のメーカーだとゴールドで文字を入れてたりするのが多いんですけど、白で。この辺がジャガー・ルクルトらしいというか。レイルウェイ。カッコいい!サイズ的にも30、31ミリくらいの感じですよね。
藤井:31、2ミリくらいの感じですよね。
野村:夏場、デッカい時計をどうだ、と、これ見よがしにする人もいますが、上品にこれくらいのサイズの時計をつけられるっていうのは、返って目立つんじゃないかなと思います。カッコいいなと。ジャガー・ルクルトは、メーカー的にも名門中の名門と言っていいと思いますので、時計好きでジャガールクルト嫌いって言う人はいないでしょ、っていうぐらいのメーカーですよね。
藤井:確かに、聞いたことないですね。
野村:時計好きでジャガー・ルクルトにケチをつける奴はいない、というぐらいのメーカーだと思うんで、是非、1本持っておきたいところですね。このミリタリーなのはいいかなと。完全に夏向けの時計だと思います。で、2本目が。
色表現的にはピンクダイヤル
藤井:2本目が、こっち行っちゃいます。ピンク。
野村:ピンクいいっすね。
藤井:色合い的にはオレンジっぽい感じもしますね。
野村:そうですね。一応、色表現的にはピンクかな、っていう気がしますが。オレンジといえばオレンジ。
藤井:これも色の変化なんでしょうかね。
野村:そうですね。もともとは、もう少し明るかったのかなと思うんですけど、それなりの経年で。あ、ごめんなさい、ジャガー・ルクルトは値段すら言ってない。40年代26万8000円でした。まあ、買えそうな値段かな、と。26万8000円って、24回無金利を使えば、月1万ちょっと。ジャックス、無金利、24回。もう、組めるだけ組んどけって感じですね。で、次のがティソですね。これはアンティーク好きな人は知ってると思いますし、現行品も比較的頑張ってますよね。
藤井:そうですね。
野村:ティソの手巻き、1940年代。ジャガー・ルクルトと同じか、もうちょこっと古いかな。年式的にはもう少し古いかもしれないですね。大きさ的にはジャガー・ルクルトとそんなに変わらない感じのサイズ感なんですが、厚みが違います。
藤井:厚みはこんな感じですね(横から見せる)。
野村:素晴らしい。
藤井:薄いですよね。
ラグジュアリーウォッチに近い感じ
野村:まあ、さっきのジャガー・ルクルトは実用時計。軍用時計って実用の塊みたいな時計ですけど。こっちはお金持ちの時計。ラグジュアリーウォッチに近いのかなと。サイズ感は先ほどのジャガー・ルクルトと変わらないんですが、ちょっとシャツとかでサラッとつけたい。この年代の時計は、やっぱり、安いやつはメッキケースっていうのが多いんですが、これはステンレスケース。やっぱり作りもいいし、文字盤周りは鏡面仕上げ。
藤井:このベゼルの部分ですね。光ってますね。
野村:鉢巻っていうんですかね。白いレイルウェイの目盛りの部分が魅力的かなと。で、針はブルースティール。いいですね。
藤井:いいですね、ちょっと紫っぽくもなりつつ、いい具合ですね。
野村:先ほどのジャガー・ルクルトもそうなんですけど、このスモールセコンドが可愛いんですよね。
藤井:この6時側の秒針がスモールセコンドですね。
野村:やっぱり魅力的な時計かなと。これは腕にした時、ピタッとフィットするような感じの作りなので、夏場はちょっとしずらいかなというところはあると思うんですけど。ブレスもご相談ください。バンブーブレス等をご用意してますので。この時計がしたい、となったら、ブレス、金属製のものをつけたり、っていうようなご相談もお受けできますので。オシャレですよね。正直、最近自分の中では、この辺が可愛くってしょうがない。でも、もう一般的な人気はないので、余計に可愛くってしょうがない。なんでしょうね、この気持ちは。で、3本目はクロノグラフと。
時計の歴史上、とても重要なメーカー
藤井:こちらです。ジラール・ペルゴ。
野村:ジラール・ペルゴはみなさんご存知ですね。最近、新品は元気ないですけどね。歴史の古いスイスメーカーです。ジラール・ペルゴがドイツ軍に供給したものが腕時計の最初だとかいわれたりもすると。腕時計の歴史においては、もうジラール・ペルゴ抜きでは語れないというようなメーカーですね。これは50年代入るくらいかな。
藤井:ラウンドプッシャーで。
野村:針もちょっと刺さりそうな感じ。
藤井:確かに、とんがってますね。
野村:すごい細いのが40年代くらいですね。ブルースティールの。いやカッコいい。キャリバーは名作といわれる72ですね。
藤井:あ、72が入ってるんですね、こちらは。
野村:手巻きの『デイトナ』のベースになっているのが有名ですけども。キャリバー72は単純にいい機械です。本当は機械を見せたいところですが、今日はやめておきましょう。この辺のクロノグラフは、無駄を絵に描いた感じ。もともとクロノグラフを必要としてる人っていうのは、パイロットであるとか、お医者さんであるとか、レーサーであったりとか、特殊な職業の人向けなので、一般の人に必要なのか、というと、必要ないです。なんですけど、パイロットに対する憧れとかは、いま大人でも子供の頃はパイロットになってみたいなとか、そういう気持ちが少なからずあったと思うので、そういう人たちの、大人の子供心をくすぐるというか、そういうようなものなのかなと。無駄を絵に描いたような感じです。ストップウォッチなんていつ使うんだ、と。でも、使えるってことが大事かなと。
とてもシンプルなデザイン
藤井:そうですね。コメントで、今日、オメガのクロノグラフが出てましたね。初めて見ました。ホームページに出したのかな?
野村:昨日かな?
藤井:昨日はオメガのクロノグラフ出してますよね。
野村:シンプルな。そうですね、都会派クロノグラフですね。ああいった時計も、はっきり言って、ストップウォッチを使わないと思うんですけど、その無駄具合がカッコいいんですよね。とくに『デ・ヴィル プレステージ』って時計なんかは、スッキリした中に無駄な機能があると。
藤井:そうですね。
野村:なんか、相反するものが入ってる。
藤井:確かにデザイン的にはスゴいシンプル、スッキリしてますよね。
野村:このジラール・ペルゴなんかも、変なメーターが文字盤上に入ったりしてないので、結構スッキリ目のデザインでアラビア数字でいいすね。バルジュー72の特徴としては、意外とコンパクトな機械なんですけど、それなりにスクリューバックのケースを採用してたりとか、防水機能もある程度あるというような作りの時計なので、これは夏してもいいかな。ちょっと夏にしてみたいな、というような時計ではあると思います。今日はホントに渋~いのを集めてみたんで、こういうのばっかりっていう訳でもないんですが、自分の好み的には。今日は偏ってみました。
藤井:これだけ渋いのは珍しいかもしれないですね。今まで紹介してきた中では。
野村:そうですね。今日は、偏った、より変態チックなものをチョイスしてみました。やはりGPの72クロノグラフで喜んじゃう人は、やっぱり変態なのかなという気がします。
藤井:ちょっとヴィンテージウォッチ沼にどっぷりハマってるタイプの人かもしれないですね。
野村:そうですね。まあ、中級ぐらいですかね。でも、ティソ。この時計あたりは深めの方ですかね。まあ、こういうような時計をチョイスしてみました。