出演
野村店長×藤井克彦(販売スタッフ)
ファイアーキッズYouTube第5回は「ドレスウォッチについて」である。これまでファイアーキッズで紹介したモデルと少し毛色が違うものが登場する、興味深い回である。
ゴージャスというよりキレイ目なドレス
「ドレスウォッチとはなんですか?」という人も多い。それを「初歩の初歩から色々語っっていこうということですけども」という藤井さんからのお題に野村店長が答えるというお馴染みのスタイルで話は展開していく。
「ドレスっていうくらいなので着飾った時に、自分の中で『これオシャレでしょ』っていう服装をした時につけたい時計ですよね。ゴージャスな感じのものが多いんですけども、今回うちで紹介するのはゴージャスというよりキレイ目な感じかな」
それは基本的にスーツ、もしくはジャケットスタイル。結婚式とか、そういう時につけるような感じになる。
「これぞドレスっていうのは、正直、人それぞれかもしれないので、ボリュームある時計というよりは、キレイに収まることこそがドレスかな。主張しすぎない。せっかくキレイな格好をして時計だけ目立っちゃうっていうのは、不恰好になっちゃいますからね。そういう部分でいくと、やっぱり薄型の時計で上品なサイズ感の時計こそがドレスかなっていうイメージがありますね。あとは、金もしくはホワイトゴールド。それが使われてるものはドレスウォッチかなっていう感じが強いですかね」
ただ、この時計を意識しだすのは、そこそこ年齢を重ねてからになる人が多そうだ。野村店長も御多分に洩れずということだった。
「正直、自分の選択肢としては、30歳くらいまではなしだったんですよね。大人になってからですかね、興味を持ち始めたのは。高校生ぐらいから買い始めて、そこに行きつくまでに十数年」
藤井さんもそこは納得。「最初はやっぱりGMTとかスポーツ系」をイメージするようだ。
「やっぱり金をすることに抵抗感があったのが、それがなくなっていったのは30代ぐらい。(藤井さんも)そろそろ?」
振られた藤井さんも「そろそろドレッシーなモデルが欲しいなと思いますね」と。そこには「結婚してる仲間というか同世代が多いんで、フォーマルな場所にいく時にスーツとかにあう薄型の時計が欲しいな」という事情もあるようだ。
ロレックスのドレスライン
ということで、ドレッシーな時計の紹介に移る。まず、わかりやすいものからということで紹介されたのが、ロレックス『チェリーニ』だ。
「ありそうでない。でも金無垢のラウンドケースで、サイズ感的にも33ミリ。上品なサイズで、厚みも抑えられていて2針。一番スタンダードなドレスですよね」
『チェリーニ』自体がロレックスの中のドレスラインということ。「全部手巻き?」という藤井さんからの質問。
「昔はクォーツとかもあった。だけどやっぱり“一生もの”というキーワードでうちは用意しますので、やっぱり手巻きだろうね」
クォーツもそうだが、手巻きにすることで薄くできて、よりドレッシーな見た目になる。この『チェリーニ』の特徴とは?
「アイボリー。これはおそらく新品の時は真っ白だった。それが自然にアイボリーになっていってる」
目の前で見ている藤井さんは「最初からこういう色だったんじゃないかっていう感じの色ですね」っていうようにとても自然なアイボリーだ。
「ドレスウォッチでローマ数字っていうのも魅力的なところだよね。ローマ数字というと貴族の数字とか、そんな言い方をされたりしますけど、まあ、ローマ数字というくらいだから、イタリア系のものとか、王室系。イギリス系のアンティークはローマ数字を使っているものが多かったりしますけど。王家の人たちはアラビア数字はあんまり使わないんですよね。(ローマ数字は)ちょっと気取った数字なんですよ。それがドレスらしい。やっぱりこのローマ数字のものを選んだりするとちょっと上品かな」
ファイアーキッズらしくない時計
そして、次の時計は、野村店長が「ファイアーキッズらしくはないよね」というオーデマ ピゲ。モデルについても「詳しくない」という。すると藤井さんが「80年代ぐらいのカタログに似たようなモデルが載っていて、定価398万円っていう感じの」というモデルらしい。
「80年代で約400万円でしょ?いまいくらで売るの?っていうような作りだよね」
ケース、ブレスレットがホワイトゴールド。インデックスと針がダイヤモンド。
「(針がダイヤモンドって)やりそうでやらない。やっぱり技術的にもダイヤの厚みが出ちゃうから。そこはやっぱりオーデマ ピゲだよね。三大メーカー。やっぱり只者がする時計じゃなさそうな感じするよね。申し訳ないんだけど、イメージ的には不動産屋さん。バブル期に不動産でひと山当てた人がしているイメージ。でも実際、薄型でイエローじゃなくてホワイトなので、結構スッキリだよね」
ということで藤井さんが装着。
「デザイン的には80年代に流行ったものなので、いま買おうと思うと意外と割安感があるかもしれない。魅力的だよね」
ただケース、ブレスレットがゴールドなので、気になるのが重さ。藤井さんも「結構重いですね」というくらいだ。
「重さで50万円くらいになるからね。それに加えていい機械が入っていて、ダイヤモンドを使った針。文字盤にも。しかもブルー。(それにしては)意外と普通じゃない?」
装着している藤井さんも「全然普通ですね」。「こんなのサラッとつけてたらどう?」という振りには「モテるんじゃないですかね」と。でも着ているジャケットには似合っている。
「イエロー(ゴールド)だと、ちょっとハードル高いなと思うんですけどね。ホワイトだと意外とつけやすい。ブルー文字盤だし」
大人気モデルのコンビアンティーク
この日3本目のモデルもオーデマ ピゲ。人気の『ローヤル オーク』である。一般的には、ラグジュアリースポーツに分類されているモデル。今回、ドレスウォッチとして紹介する意図とは?
「『ロイヤルオーク』って薄型じゃない、意外と。良いサイズ感。厚みも抑えて、ジャケット、シャツスタイルでキレイに収まってくれて、主張が強すぎない。これがオール金でいっちゃうと主張が強すぎちゃうので、僕の中のイメージのドレスっていうのとはちょっと違うのかな、という感じがするんですけど」
ラグスポと呼ばれている『ロイヤルオーク』でもサイズ次第ではドレスらしくつけられるということだ。
「当時のメンズの小さいラインですね。これは1990年くらいのものなんですけど、バブル末期頃の時計なので、こっちの薄型で腕フィットみたいなのが大流行りしていた頃。オートマティックでも厚みを抑えてあって、腕につけた時のフィット感。もう本当にシャツにつける時計ですよ。やっぱりジャケットでつけてほしいなぁ」
サイズがボーイズなので、ジャケットを着ていても邪魔にはならない。
「一応、ラグジュアリースポーツって、いま言われてますけど、お金持ちの遊び時計的なところはやっぱり大きいと思うんで、ほんと恐れ多い感じもするんですが、このサイズ感は上品。ドレスっていうと派手目なイメージなんですけど、本物のお金持ちはやっぱり上品さが残る。ドレスもこれくらいで抑えてあげるといいですね」
そして「モテたいというならこれをつけるといい」という野村店長のツッコミに、藤井さんは「やっぱり時計ってそういうところから始まるんじゃないですか」と。
上品なモデルは選びやすい
「ドレスウォッチでキレイ目な格好をして、そういうところ(結婚式など)に行くと、素敵な女性がいるはずなんで。そういう意味ではアンティークって上品なものが多いので、選びやすいかなと。全部金だと相当いやらしくなっちゃうから」
さらに藤井さんが着目したのが文字盤のグレー。
「いいところに気づいたね。このグレーは本当に上品だよね。単純にいい時計で上品。人に勧めていると欲しくなる病、時計屋さんにありがちらしいよ。でも自分が欲しくなる気持ちもすごい大事で。自分の周りで結婚式とか続く時期とかあったでしょ?」
それは「数年前ぐらいにあった」と藤井さん。
「そのタイミングで買っておくとよかったかもね」
それに対して藤井さんは「ドレスウォッチってわりと明確な使い道がある時計じゃないですか。20代後半とかになったら1本持っておくと間違いないって感じですね」と納得。
「でもこれだと本当に1本で済んじゃうね」
ドレスウォッチとしてもスポーツモデルとしても使える万能性も『ロイヤル オーク』の魅力だ。知ってる時計ディーラーの人もSSのボーイズ『ロイヤルオーク』をしてうて格好よかったと藤井さん。鍛えた太い腕にもちっちゃなモデルが似合ってたという。
価格に見合う魅力
「ただ、悩むのは金額なんですけどね」
藤井さんは「正直、その価格に見合うほどの魅力がある」と力説。野村さんはショッピングローンの分割価格をカクニン。48回分割で41,666.666….円。42,000円を月々支払えばいいようだ。これには野村さんも反応。
「ちょっと真剣に考えてみようかな。48回というと長いね。でも、ほんと最近歳を取ったなっていうのが、4年ってあっという間だからね。月々、勝手に引かれていってくれれば『ロイヤル オーク』が手に入る」
『ロイヤルオーク』は、いまどんどん値上がりしているモデルなので、4年後といまでは価格が全然違うという。野村店長が検討する、というのも無理はない。
「金の価格が安い頃は、この辺も30万円とかで売ってたりした時期もあるんだけど、金の値段が上がれば時計の値段も上がる。いい時計だよな。でも、やっぱり『チェリーニ』とかの方が使いやすいのかな」
とスタッフの方が悩んできている。ただ「使いやすいのは『チェリーニ』かな」と実際につけた藤井さん。
「そうですね、入門編的な感じで」
野村店長もその意見に納得のようであった。